山形県山形市の自動車整備士2級、アバルトの求人・転職情報

アバルト整備士の特徴は、ベース車両を「より刺激的に仕立てる」思想を前提に、走りのキャラクターを崩さず整備する点にあります。595／695系を中心に、コンパクトな車体に高出力エンジンと専用足回りを組み合わせた設計が基本です。

アバルト車は、快適性や静粛性よりも、加速感や音、操作に対する即応性が重視されています。そのため整備では、「普通に使えるか」ではなく、「アバルトらしい荒さとキレが残っているか」が判断基準になります。

また、純正状態でもチューニング色が強く、オーナーによるカスタムや使い方の差が大きいのも特徴です。個体ごとの仕様や履歴を前提に整備内容を組み立てる必要があります。

アバルト整備の中心は、エンジン出力と車体バランスを前提にした点検・調整です。過給エンジン特有のレスポンスや、アクセル操作に対する反応の鋭さを維持することが求められます。

標準のフィアット500に比べ、アバルトはブレーキやサスペンションが強化されています。軽量ボディゆえに、サスペンションやブレーキのわずかな劣化でも挙動に影響が出やすく、実走行での一体感の確認が重要です。数値上の正常より、「走らせたときの一体感」が重視されます。

アバルト595/695にもESC、ASR、TTCなどの電子制御とOBD自己診断が標準装備されており、警告表示や診断機によるDTC確認は整備判断の基本です。併せて、音・振動・レスポンスの試走確認が有効になる場面もあります。試走は整備工程の重要な一部です。

主な業務内容

• 高出力ターボエンジンを前提とした点検・整備
• 軽量ボディに対する足回り・ブレーキの状態確認
• 音・振動・レスポンスを基準にした原因切り分け
• カスタム有無を踏まえた整備判断
• 試走による刺激的な走りの最終確認

アバルト整備士の平均給与

以下の表は、メカニック転職ナビの掲載求人データをもとに算出したアバルト車を扱う企業の職種別年収中央値です。

求人データでは自動車整備士の中央値は約475万円で、検査員・板金塗装は約500万円。検査員資格や高難度作業対応、顧客説明まで担える人材は＋20?50万円の上振れが見られます。

アバルト整備士のやりがいは、車の“荒さ”や“尖り”を、魅力として成立させる点にあります。均すのではなく、残す仕事です。

• 軽量×高出力車を前提にした整備経験が積める
• 音やレスポンスへの感覚が鋭くなる
• チューニング前提の整備判断力が身につく
• 試走を含めた体感重視の仕事ができる
• 「これぞアバルト」という走りを支えられる

快適ではないことが魅力になる。その価値観を仕事にできるのが、アバルト整備の世界です。

アバルトは今後、電動化を進めながらも、刺激的な走りをブランドの核として残していきます。方式が変わっても、ドライバーを高揚させる方向性は変わりません。

その中で整備士には、構造理解と感覚的判断の両立が求められます。アバルト整備士は、刺激という曖昧で主観的な価値を成立させる専門技術者として、今後も独自の立ち位置を持ち続けるでしょう。