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自動車検査員とは？

自動車検査員は、指定自動車整備事業所（いわゆる民間車検場）で完成検査を行うために事業者が選任する職務上の資格であり、独立した国家資格ではありません。

整備された車両が保安基準を満たしているかを確認し、検査結果に責任を持つ立場として位置づけられます。

整備作業そのものを行うというより、「この車を公道に出して問題ないか」を判断する役割であり、整備工場の中でも限られた人だけが任される資格です。取得すると、車検ラインでの完成検査や適合証の発行に関わる業務を担当でき、指定整備工場（民間車検場）では欠かせない存在となります。

自動車検査員の受験には、自動車整備士2級を取得したうえで、一定期間の実務経験が必要です。整備知識だけでなく、法令理解や判断力が前提条件となります。

自動車検査員は所定の『自動車検査員教習』の修了審査（一般に筆記および口述）に合格する必要があります。学習範囲は保安基準、検査制度、関係法規、検査方法・実務などです（詳細は各教習機関の案内による）。

教習・修了審査の実施回数や時期は地域の教習機関の計画によって異なり、年に複数回実施されるのが一般的です。合格率はおおむね50?70％前後で推移しているとされています。

検査員資格を取得すると、整備士としてのキャリアは一段上のフェーズに入ります。車検工程の最終責任者として、整備品質や法令遵守を管理する立場になります。

代表的なキャリアパスは、3級→2級→自動車検査員です。さらに、2級→自動車検査員→工場長／サービスフロントと進むケースも多く見られます。

検査員は取得後すぐに役職が付くとは限りませんが、現場の信頼を得やすく、管理職候補として扱われやすい資格です。

自動車検査員の主な業務は、車検整備が完了した車両の完成検査です。ブレーキ性能や灯火類、排ガス、車体状態などを総合的に確認し、保安基準への適合可否を判断します。

整備ミスや見落としがあれば差し戻しを行い、安全性を担保する役割を果たします。そのため、整備知識に加えて慎重な判断力が求められます。

注記：分解整備の実施は、事業所の認証（特定整備を含む）および整備主任者の管理体制の下で行われる制度であり、個人資格の有無のみで法的に一律制限されるものではありません。

検査員は、指定整備工場や車検台数の多い事業所で特に重宝されます。地域によっては検査員不足が続いており、資格保有者を条件とした求人も少なくありません。

夜間対応や繁忙期の稼働が発生する職場もありますが、その分待遇面で評価されやすい傾向があります。

以下の表は、メカニック転職ナビに掲載中の求人および主要転職サイトの公開データをもとに算出した給与中央値です。

検査員は責任手当や資格手当が付くことが多く、二級整備士よりも高水準になりやすい点が特徴です。

工場規模や車検台数、管理業務を兼ねるかどうかで、収入差が大きくなる傾向があります。

資格別の求人数を見ると、自動車検査員は数は少ないものの、条件付きで強い需要があります。

検査員は、法的に配置が求められるケースがあるため、欠員が出ると急募になりやすい資格です。

即戦力性と責任範囲の広さから、ピンポイント採用が中心となっています。