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2025/10/01

自動車整備士は女性でも目指せる?仕事内容・年収・活躍状況を徹底解説!

笑顔の女性の自動車整備士

自動車整備士は、車両を点検・整備し、道路の安全を支える重要な仕事です。「男性の仕事」というイメージが強い職業ですが、近年は業界全体で女性自動車整備士の採用も広がっています。

この記事では、女性自動車整備士の仕事内容や年収、働きやすさなどの環境について詳しく解説します。さらに、未経験や異業種から整備士を目指す方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

女性の自動車整備士はどれくらいいる?業界の現状と背景

笑顔の女性の自動車整備士

日本自動車整備振興会連合会の調査によると、自動車整備士は全国で約33万人。そのうち女性は約1万人で、全体の3.2%です。現在はまだ女性の割合は低いですが、少しずつ増えてきています。

背景には、少子高齢化による人手不足があります。政府が女性の就業を後押ししていることもあり、自動車業界でも採用の動きが広がっています。

厚生労働省の統計では、整備士の有効求人倍率は5.28倍。求職者1人に対して5件の求人がある計算で、深刻な人材不足が続いています。車の保有台数は減少傾向にありますが、整備士の需要は依然として高く、女性の活躍が業界を支える力になると期待されています

女性自動車整備士の仕事内容とは?男性との違いは?

車の整備をする男女2名

自動車整備士の主な仕事は、車の点検・整備・修理です。定期的に状態を確認し、異常があれば部品を交換したり修理を行います。基本的な業務内容は男女で違いはありません。

詳しくは概要をまとめた以下の表をご覧ください。

自動車整備士の基本業務の表
自動車整備士の基本業務の表

女性が自動車整備士を目指すときに気になるのが「力仕事」かもしれません。ですが、近年は作業をサポートする機械や器具が整ってきています。たとえば、車を持ち上げるリフトや、空気の圧力でボルトを締めるエアツールの普及によって、腕力に頼る場面は少なくなりました。


さらに、タイヤや重い部品を持ち上げる際には腰や腕を支える補助器具も導入されています。こうした技術の進歩により、女性自動車整備士も安心して働ける環境が整ってきているといえるでしょう。

女性が活躍しやすい業務とは

では、女性自動車整備士ならではの強みにはどんなものがあるのでしょうか。特に活かしやすいのは次の点です。

  • 気配りやコミュニケーション力
  • 狭い場所での作業や細かな部品の扱い

女性は共感力や気配りに優れていることが多く、顧客の不安や要望を丁寧に聞き出しやすい傾向があります。そのため、接客や説明の場面で信頼を得やすく、顧客満足につながります。

また、男性より体格が小さいことで、手が届きにくい場所での作業や細かい部品の扱いに強みを発揮することもあります。センサーの配線修理や車内機器の取り付け、消耗部品の点検・交換など、精密さを求められる作業で力を発揮できるでしょう。

・自動車整備士の仕事内容については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

自動車整備士とはどんな仕事?整備士の業務内容について解説 』

女性自動車整備士の年収・キャリアパスは?

笑顔の女性の自動車整備士

女性自動車整備士は、一般的な女性の平均年収より高い水準にあり、昇給やキャリアの広がりも期待できます。ここでは年収の目安を見ていきましょう。

女性自動車整備士の平均年収

日本自動車整備振興会連合会の調査によると、自動車整備士全体の平均年収は約426万円です。これに対し、女性自動車整備士の平均は専業で約378万円、兼業で約389万円と、やや低めとなっています(※専業=整備士のみで働く場合、兼業=別の業務も兼ねて働く場合)。

一方で、ディーラー(自動車販売店)の整備部門に勤める女性自動車整備士では、平均年収が約489万円と全体平均を上回るケースもあります。

また、国税庁の調査によると、女性正社員の平均年収は約315万円。これと比べると、女性自動車整備士は一般的な女性よりも高収入を得られる職業なのです。

・自動車整備士の収入については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
自動車整備士の給料はいくら?整備士で高い給料を目指す方法

昇給・役職・キャリアアップの事例

女性自動車整備士にも、昇給や昇進、キャリアアップの機会は十分にあります

まず給与面では、経験や資格の取得が大きなポイントです。多くは3級整備士からスタートし、実務経験を積んで2級整備士になると担当できる業務が増え、給与も上がります。さらに1級整備士になると、工場全体の管理職として活躍する道も開け、大幅な昇給につながります。

役職面では、主任整備士や工場長などへの昇進が可能です。これらのポジションは技術力やマネジメント能力に基づいて任されるため、性別に関係なく挑戦できます。

また、キャリアを広げる方法としては、電気装置整備士・車体整備士・タイヤ整備士といった専門資格の取得が代表的です。特定分野の専門家として活躍でき、その後の昇進や転職にも有利になります。

さらに、「女性ならではの視点を活かしたサービスの提案」や、「全日本自動車整備技能競技大会(全国の整備士が技術を競う大会)」に出場して実力を示すなど、活躍の形は多様です。工夫と努力次第で、キャリアアップの可能性は大きく広がっていきます。

出産後・育休後の復帰例

近年は、出産や育休を経て職場に復帰する女性自動車整備士も増えてきました。女性整備士の数が増えるにつれて、企業側も育休制度や時短勤務の導入を進めていることが背景にあります。

たとえば、約半年間の産休を取得した後、周囲のサポートを受けながら仕事に復帰した事例があります。別のケースでは、時短勤務を利用し、育児と両立しながら整備業務を続けています。

このように、企業の制度や職場の理解が整ってきたことで、出産を経ても仕事を続けやすい環境が広がっているといえるでしょう。

女性が働きやすい整備工場の選び方

自動車整備工場の風景

女性が自動車整備士として安心して働くには、工場選びが大切です。特に次の2点をチェックすると良いでしょう。

  • 職場環境
    トイレや更衣室といった女性専用設備が整っているかを確認しましょう。また、リフトや部品を持ち上げる補助器具など、体力面をサポートする設備があるかどうかも重要です。
  • 制度
    育児休暇や時短勤務といったライフイベントに対応できる制度があるか、資格取得支援などキャリアアップを後押しする仕組みがあるかをチェックしましょう。

ただし、こうした環境や制度が整っていても、女性整備士ならではの大変さもあります。次に、その具体的なポイントを見ていきます。

女性自動車整備士ならではの大変なこと

女性自動車整備士ならではの大変さとしては、主に次の5点が挙げられます。

  • 作業で汚れる
  • 体力仕事がある
  • 男性が多い職場環境
  • 女性専用設備が不足している場合がある
  • 技術や能力を疑われることがある

自動車整備の仕事では、油やグリースに触れるため作業着や手が汚れるのは避けられません。顔や髪に汚れが付くこともあり、汚れを気にする方にとっては作業後のケアが欠かせません。

また、大型トラックのタイヤ交換やエンジンの取り外しなど、一部は体力を要する作業もあります。リフトや補助器具の導入で負担は減っているものの、一定の体力は必要です。

さらに、整備工場は男性が多数を占める職場です。そのため、女性用の更衣室やトイレが十分に整っていないケースもあります。こうした環境では、働きやすさに差が出ることもあるでしょう。

最後に、男性中心の業界であることから、女性自動車整備士は時に技術や能力を疑われることがあります。もちろん整備技術に性別の差はありませんが、偏見を払拭するには実績を積み、信頼を築く努力が求められる場面もあります。

働きやすくする工夫

女性自動車整備士が働きやすくするためには、個人でできる工夫と、企業側の環境整備の両方が大切です。

まず個人でできる工夫としては、作業着や保護アイテムを工夫して汚れや疲れを防ぐことです。代表的な例をまとめると次の通りです。

汚れ対策の工夫をまとめた表

ただし、こうした工夫だけでは限界があります。働きやすさの根本的な部分は、企業がどんな環境や制度を整えているかに左右されます。就業前に次の3点を確認しておきましょう。

  • 道具・設備の充実
    重い部品やタイヤを扱うため、リフトやタイヤチェンジャーなどサポート設備の有無は必須です。
  • 女性専用設備の有無
    更衣室やトイレが整っているかは、プライバシーや清潔さの確保に直結します。設備不足は就業意欲を削ぐ要因にもなるため、重要なチェックポイントです。
  • 育児休暇や時短勤務
    制度があるかどうかだけでなく、結婚・出産・育児などのライフイベントに理解がある企業かどうかも確認すると安心です。

女性自動車整備士を目指すなら?資格と就職活動のコツ

国家資格と書かれたブロックが置かれたデスク

自動車整備士になるには、国家資格である「自動車整備士資格」の取得が必須です。資格は1級・2級・3級と特殊整備士に分かれ、それぞれ担当できる業務が異なります。一般的には3級からスタートし、実務経験を積みながら2級へとステップアップしていく流れです。

自動車整備士資格についてまとめた表
自動車整備士資格についてまとめた表

資格取得の方法

資格取得には大きく2つのルートがあります。

・専門学校に通う
知識や技術を体系的に学べ、卒業と同時に2級整備士の資格が得られます。学費はかかりますが、効率よく資格を取得できる方法です。

・実務経験を積む
整備工場で働きながら見習いとして経験を積み、3級整備士を目指します。実践の中で学びながら資格を取るスタイルです。

・自動車整備士になる方法や勉強法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
自動車整備士になる方法は?整備士に必要な資格と勉強法を解説

就職活動のコツ

女性自動車整備士の求人を探すには、転職サイトを活用するのがおすすめです。
女性歓迎の求人が多く掲載されており、条件に合った職場を探しやすいでしょう。また、「メカニック転職ナビ」のような整備士専門サイトを使えば、効率的に希望に合った求人を見つけられます。

女性自動車整備士は将来性アリ!一歩踏み出して理想の働き方を

女性自動車整備士はまだ少数派ですが、数は増え続けています。設備や制度も整い始め、「男性の職場」というイメージも変わりつつあります。

長く働くには、自分に合った職場や働き方を選ぶことが大切です。まずは資格や求人情報を調べ、理想のキャリアに向けて一歩を踏み出してみましょう。

・自動車整備士への転職をお考えの方は、自動車整備士専門キャリアアドバイザーのサポート付き自動車整備士の転職サイト『メカニック転職ナビ』がおすすめ!

この記事の執筆者

メカニック転職ナビ編集部
自動車整備士の転職サイト「メカニック転職ナビ」の編集部です。自動車整備士の転職に役立つ情報をわかりやすくまとめてお届けします。